2022年08月21日

瀬戸芸を支える人たち

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右から大江正彦町長、王文志さん、井口平治さん、矢田常寿さん

7月末、中山の王文志(ワン・ウェンチー)さんの作品「ゼロ」の完成お披露目会が行われました
そこで王さんと一緒に座っていたのが、
中山自治会長で中山イベント推進会の井口さんと
矢田建設の矢田社長。


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王さんの作品で使う4000本もの竹の切り出し作業は
地元有志やこえび隊などたくさんの人が協力して行いますが
本数の管理はおふたりがしているそうです

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矢田社長は2010年の最初の瀬戸芸から
王さんの作品の基礎工事も担当しています。
今年で13年、5回目の作業。
今年はコロナの影響で王さんが日本に入るのが遅れてしまいましたが
本人不在で基礎工事は完了したそうです。

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「ゼロ」の基礎部分(写真提供:矢田建設)

「もう5回目だしね、どんな作品かということもわかっているし
王さんも信頼してくれているから。
簡単な完成図といくつかの図面だけ送ってもらって
あとはこっちで少しアレンジしながら。
これはやっぱり、長いこと一緒にやってるからやね」

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基礎工事だけではありません。
王さんのチームが現場に入って制作が始まってからも
毎日現場に足を運び、不足しているものはないか、何か困っていないか聞きに行っていたそう。

「道具や資材は現地で調達する必要があるから。
たとえば金槌がないと言ったら、うちのを持っていって貸したり。
クギやネジがいるなら用意してあげる。
金槌はタダでいいけど、消耗品はちゃんとお金もらってね。
そうやってサポートしてあげたら、すごく作業の効率がいい。
何かが足りない、じゃあ買ってこようと言っても車がないとか、言葉がわからないとかってなると、作業が止まっちゃうでしょ」

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今回の作品には王さんが台湾から持ってきためずらしいネジも使われています。穴が星の形

「それに、台湾から追加で何か資材を送ってくることもあるけど
それだって受け取る場所がないと送れないじゃない。
だから矢田建設に送ってもらって、それを僕が中山まで持って行くこともある」


ファミリー00.JPG

なるほど〜
聞けば聞くほど、社長も王さんチームの一員という感じがしてきます

王さんと矢田社長は奥さん同士も仲が良く、
最近日本語を熱心に勉強しているという王さんの奥さんに、矢田さんの奥さんが教えたりもしているそうです。

矢田建設06.JPG

矢田社長はほかにも、三都半島の作品にも多く関わっています。
今回は春会期から公開され人気を集めているこちらの作品。
ダイダラウルトラボウ
伊東敏光 広島市立大学芸術学部有志

広島市立大学とは、瀬戸芸以外にも三都半島アートプロジェクトでも関わっています
大きな作品を作るときには矢田建設がプロとして作業や安全面をサポートしています。


矢田建設07.JPG
伊東敏光先生と矢田社長。制作途中の現場にて


「広島市立大学の場合、学生さんたちがたくさん手伝いに来るでしょ。
王さんのチームはみんなプロだけど、学生さんだとそうはいかない。
いかに事故なく安全に作業するか、それが最優先」

今回は、高さ9mにもなる作品。高所での作業は危険なので
まず巨人を下半身と上半身に分けて制作し、
上半身ができてからクレーンで吊って合体させる方法をとりました。

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「2回目とか3回目のときかな、
瀬戸芸ってこんなに人を動かすんやって、びっくりした。
ものすごい人数のお客さんが来るんやなって。
だったら、いい作家、いい作品を呼ぶってことが大切やなと。
そのために何ができるかってことを考えて、
いくつか作品が設置できそうな場所もピックアップしています。
僕らのような業者とか、地元住民とか、役場とかが
どれだけ本気になってサポートできるかが大切。
それが、いい作品を生むことにもつながり、
最終的には島の発展にもつながるんだと思います」


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矢田建設のほかにも、島内各地でたくさんの業者さんがアーティストや瀬戸芸をサポートしています。
3年に1度のアートの祭典、夏会期もあと2週間。
熱中症と車の下の猫には気を付けて、たっぷり楽しんでくださいね〜


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2022年08月20日

瀬戸内国際芸術祭2022/辿り着く向こう岸

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今日紹介する作品はこちら

シャン・ヤン(向阳)
辿り着く向こう岸

2021年までフェリーの定期便が運航していた草壁港🚢
そこに台船を接岸させ、その上にさらに船の形をした作品が乗っています。
台船は30×15m、作品の高さは9mという大型の作品です。

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このオブジェ、印象的な骨格の部分は
船を逆さにした形

その骨組みに守られるように、
中国の古い家具や建具を使ったオブジェが設置されています。

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作者のシャン・ヤンさん

「自分が若い時に天安門事件や文化大革命が起きて
長い歴史がある文化を人が簡単に壊していくのを目の当たりにしました。
それを守りたいという思いから、古いものを集めて分解し、
新たな作品として組み立て直しています。
作品に使われている家具や建具はだいたい100〜300年ほど前のもの。
窓の一部、ベッドの一部だったりするものが多いですね。
昔の人は文化を軽い気持ちで壊したり燃やしたりするけれど、
昔の過ちを見て、現代を見て、未来につなげていくことが大切だということを
考え直す機会になってくれたらと思います」

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小さなスツールも作品を作ったときに残された廃材を使って作られています🎠

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独特な柄の彫刻や格子を組み合わせています。

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かつてフェリーへの旅客乗船口だった通路を通って作品へ。
港を使っていた人たちは、懐かしい記憶がよみがえるかもしれませんね

船は2階建てになっていて、2階から見渡す海の景色も最高ですよ


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2022年08月19日

瀬戸内国際芸術祭2022/アジア・アート・プラットフォーム

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今日ご紹介するのは、
福武ハウスの夏の新作
アジア・アート・プラットフォーム2022 協同展
「Communal Spirits/共に在る力」

アジア・アート・プラットフォームとは、2013年から展開している
小豆島の福田という集落でアジア諸地域がつながるプロジェクト。
今回は、福田の集落内にある空き家を使って
アジア文化の根底にあるさまざまな伝承や伝統、土地の精霊や哲学などをテーマにした5つの作品を展示しています。


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クヴァイ・サムナン
Preah Kunkong(The Way of Spirit)

カンボジアにある密林のなかでさまざまなパフォーマンスをしている映像作品。
この映像に映っている地域はダムができたことで生態系が変化してしまい、
それに対してのメッセージとして
パフォーマーが密林のなかの絶滅危惧種の動物のお面をかぶってパフォーマンスしています。


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サマー・ファン&ツァイ・ジアイン
Blessing from Sunshine

郵便局として使われていた建物の中に、
鳥かごと布を組み合わせたオブジェを展示しています。
この布は太陽光の力で模様を浮かび上がらせる方法で色付けされていて
作家さんが台湾で地元住民と一緒にワークショップを開き作成したもの。
それが、祝福と願いを込めた手紙のように送られてきました。
太陽からもらった恵みを、福田へも、という思いが込められています。


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アナン・サプトト
EXPLORING FARMER GROUPS JOGJA×FUKUDA

食材を生産する農家がいて、買いたいという人もいるのに、
その間の部分で起きていることのせいで欲しい人に届かない。
そういう状況に疑問を持ち、生産者や流通についての調査を行って
その両者をつなげるプロジェクトとして
食べ物とそれを買う人のコラージュを作成しています。
インドネシアと福田でそれぞれ調べて、それをさらにミックス。
建物の中には福田の地域住民が調査した資料や写真も展示されています。


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アーティスト:香港アートスクールの講師と卒業生
キュレーター:フィオナ・ウォン・ライ・チンと香港アートセンターチーム
Hong Kong Colours in Shodoshima:A Ceramics Showcase

香港と小豆島の各地で採取された土を使い
その土で染めたタペストリー、土のサンプルなどを展示しています。
土を採取した場所がどんな場所でどういう生活をしているかなどの説明もあり
その土地の文化や人々の生活を想像しながら見ると楽しい作品です。

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コラクリット・アルナーノンチャイ&アレックス・グヴォジック
Songs for living

タイのアーティストによる映像作品。
靴を脱いで暗い部屋に入り、壁面に写された映像作品を鑑賞します。
さまざまな素材がコラージュされた映像、それにあわせた音楽も作家によるもので
ミュージックビデオのような作品となっています。
室内には大きなクッションが置かれているので自由な姿勢でくつろいでください。


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以上がアジア・アート・プラットフォームの作品で、この夏会期から公開されたものです。
それぞれの展示場所には駐車場がないので、
福武ハウスに車を停めて福田の集落🏠や港周辺🚢を歩きながら作品をめぐってください


また、夏会期中は週末ごとに楽しいワークショップを実施
「暮らしのタネをまく 365教室」

365教室参加者募集.png
これ以降に予定されているものは以下の通り


8/20(土)・21(日)
アジアン・シネマ・ナイト

8/21(日)
夏野菜の本格キムチづくり

8/27(土)
間伐材でつくるカッティングボード

8/28(日)
影絵師と作る自分だけの影絵人形

8/31(水)
スマートフォンのアラームを自然の音に変える!

問合せ・WSの詳細はコチラ
0879-62-9301(受付時間:開館日の9:00〜17:00)



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春会期から実施されている福武ハウスのギャラリー展示や
葺田の森テラスもぜひ立ち寄ってください

ギャラリーで開催されているのは
福武ハウス アジア・ギャラリー展覧会
「時代の風景・時代の肖像+++」

ベネッセアートサイト直島が所蔵するアジアの作家の作品を展示したもので
この場所のために新たに制作されたものも加えて構成されています。
アーティスト:アマンダ・ヘン、Chim↑Pom from Smappa!Group、潘逸舟(はん・いしゅ)、ヒルミ―・P・スパドモ、インディゲリラ、カンチャナ・グプタ、近藤亜樹、森万里子、森村泰昌、パナパン・ヨドマニー、ズルキフリ・マハムード

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葺田の森テラスでは、小豆島の食材を使ったお弁当やドリンクなどを販売

福田の潮風弁当
1320円

ショウガの効いた酢飯の上に乗っているのは、揚げて旨味を凝縮させた小豆島のハモ
海苔の寒天寄せ、ココナッツミルクで作るポテトサラダなど
おかずもいろいろな発見があっておいしい&楽しいお弁当です

ただし用意する数に限りがあり、売り切れてしまうこともあるので
「絶対食べたい!」という人は事前にweb予約をしておくのがおすすめです。




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2022年08月18日

瀬戸内国際芸術祭2022/そこにいた

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瀬戸芸強化WEEK第2弾はこちら

イ・スーキュン(李秀京)
そこにいた


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福田は採石で栄えた町。
この作品は、大きな花崗岩に金箔を貼りつけたもので
福田らしい景観を眺められる高台に設置されています。

昔は大きな石は神聖なものとされ信仰の対象となってきましたが
近代以降は道路工事などで大きな石が出ると
邪魔者として扱っている。
それを一度原点に帰って大切にしようというメッセージが込められています。

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金色は仏陀が悟りを開き体が光っている様子をイメージした色

作品を前にして、右を向けばゴツゴツした石が見える山、
正面には福田の町と青い海、そして港
左を向けばまた山と、
背景が変わると作品の印象もまた変わってくるようです。

実はこの作品、作家の李さんが一度も小豆島に来ることなく完成しました。
素材となる石選びから金箔貼り、設置する場所選びまで
すべてリモートと地元住民を中心としたワークショップで完成させたそうです。
まさに今回の瀬戸芸らしい作品と言えるのではないでしょうか。


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寒霞渓山頂から福田方面へ降りていく道沿いにあります

作品は2つあって、一つはこの写真の右上に見えているもの
もう一つはこの道を進んだ先、左に曲がるヘアピンカーブがあるのですが、
その曲がり始め、右手に設置されています。
福田側から上がってくると見えやすいかもしれません。

駐車場はこの作品の場所から少し上がったところ。
車を停めて、景色を楽しみながら作品の場所まで歩いてください



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2022年08月17日

瀬戸内国際芸術祭2022/小豆島ハウスプロジェクト

Twi素材 (36)00.JPG

今週は瀬戸芸強化WEEK!!(勝手に)
この夏会期から小豆島に登場した新作を、1日1作品ずつ詳しく紹介していきます。

今日は、
新建築+SUNAKI
小豆島ハウスプロジェクト


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坂手港から徒歩約3分
坂を上がっていった先にあります🏠
古民家というほど古くはないけれど、
細部まで凝った特徴的な意匠のある昭和期に建てられた立派な民家
空き家になっていたのを改修し、建築作品として展示しています。

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梁や柱の傷んでいた部分は補強しつつ、
大枠は以前のまま残っています。
この母屋のほか、離れと蔵もあります。

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ものや
「小豆島ハウスのための家具」

母屋1階の和室にあるのは山のスツール。
ふすまに描かれていた山の絵を写真に撮って
その山の部分だけ切り抜いて
スツールにしています。

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裏側はこうなっている

山が浮かぶ瀬戸内海を眺めながら、室内にも山があり、その間に座る、というイメージです


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2階の天井に付いているのは、ベッドの天蓋。
元々この家で使われていたもので
特徴的でめずらしいものなのでそのまま残しています。
このように、元々あった古いものと改修した新しい部分とが
パッチワークのように混在しているのがこの建築の特徴です。


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元々使われていた壁紙の模様をスキャンしてデータとして取り込んで
それを合板にプリントして使用している部分もあります。
(右側の窓の上の部分)


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梁は一部シロアリに食われた部分がありました。
こういう場合、普通は切断して差し換えるのですが
穴の形を3Dスキャンし、その形を新しい素材で再現して穴の部分にはめ込んでいったそう。
黒く見えるのが新しくはめた部分です。


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こちらは離れの内部。
離れは外観はそのままで、内部の仕切りは取っ払って
広いギャラリー施設になっています。

真っ黒に塗られた壁に映っている映像は
渡邉朋也/時里充(山口芸術情報戦隊[YCAM])+京都工芸繊維大学 未来デザイン・工学機構
「点群のマテリアリティについてのスケッチ」


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アンドリュー・コバック
「シカゴから小豆島へ」企画:東京大学総括プロジェクト機構国際建築教育拠点統括寄付講座 平野利樹

それぞれの作品の詳細は、現地でもらえる資料をご覧ください

公開前から、小豆島ハウスプロジェクトについて
いろいろな要素があってひとことでは言い表せない、と聞いていましたが
まさに・・・といった感じです。


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建物の外には、こちらも小豆島ハウスプロジェクトの企画の一つ
フードトラックが出店しています

FOOD&the CITY研究会
(中村航+小林惠吾+宮原真美子)
「トラックトラック」
企画:新建築社


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ここでは小豆島で獲れる鯛やタコを使ったフィッシュアンドチップスを販売。
そのほか、坂手のクラフトビール醸造所、まめまめびーるのビールも飲めますよ〜


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新建築社は、建築専門誌を制作する出版社。
これまでメディアとしての場づくりを行う「新建築ハウスプロジェクト」を展開していて
北大路ハウス、青山ハウスとあって小豆島はその第3弾。

2023年以降は、国内外の建築家や研究者がここに来て滞在しながら
リサーチやワークショップを行うことができるレジデンス施設として運用していくそうです。


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2022年08月16日

瀬戸内国際芸術祭2022/夏会期・小豆島おすすめモデルコース

瀬戸芸佐藤 (2)00.JPG

夏会期から新作が多く登場している小豆島
できるだけ効率よく多くの作品を見て回りたいですよね

きょうの「瀬戸内しまラジ!」放送では、先週に引き続き
瀬戸内国際芸術祭 実行委員会事務局の佐藤敦さんがご出演

小豆島のおすすめモデルコースをご紹介いただいています。

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「小豆島は意外と広い島。
レンタカーで回ると動きやすいですよ。
池田港についたらまずレンタカーで中山地区へ。
中山千枚田という棚田が広がっているエリアです。
今は稲が青々としていてとてもきれいですよ」

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「中山地区にあるのは、ワン・ウェンチー(王文志)さんの作品『ゼロ』。
4000本の竹を使った高さ15mの作品です。
ぜひ、車を停めて作品の中まで入っていただいて、
この作品や自然と一体になるという体験を楽しんでください」

NEXT

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中山を出たら、次は草壁港へ
シャン・ヤン(向阳)
辿り着く向こう岸

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「船をモチーフにした作品で、乗船して船内に展示されたオブジェを見てもらえます。
中国で廃棄された家具や建具を集めて修復・再構築したオブジェが展示されています」

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「暑い時期ですので、草壁港のすぐそばにある
ミノリジェラート
地元の素材を使ったおいしいジェラートがそろっていますので
こちらで涼んでいただくのもいいと思います」

NEXT

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そこから約10分で、坂手港へ
港のそばの駐車場に車を停めて、歩いて3分ほどの場所にある
新建築社+SUNAKI
小豆島ハウスプロジェクト

220808_小豆島ハウスプロジェクト (14)00.JPG

「建築系出版社の新建築社と、SUNAKIというユニットで制作している建築の作品です。
こちらは日によって様々なイベントをしていて、フードトラックが出店していたり、室内でインスタレーションが展示されたりしています」

空き家を改修した作品で、
この家で使われていた家具や建具の意匠を生かしてリノベーションされているのがユニークです

NEXT

220624_南風台 (7)00.JPG

坂手港を出たら、ちょっと長めのドライブ
約30分かけて、島の北東部にある福田地区へ向かいます。

島の東側の海沿いを走る途中、大鳴門橋や淡路島が見える展望台もあるので立ち寄ってみてください

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「福田に着いたら、まずは福武ハウスへ。
葺田の森テラスというカフェで、心地いい風を感じながら
島の素材を使った季節のドリンクを楽しんでください。
福田の集落内には
アジア・アート・プラットフォーム』という作品があります。
空き家を4軒ほど使ってさまざまな作品を展示しているものです。
アートだけでなく集落の景色も楽しんでいただければと思います」

NEXT

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福田から寒霞渓に上がっていく道沿いにあるのが
イ・スーキュン(李秀京)
そこにいた

「大きな石に金箔を張り付けた作品で、道を走っていると急に大きな金の塊が現れるような作品になっています」


NEXT

220423_寒霞渓 (64)000.JPG

寒霞渓の山頂にも、春会期の途中から展示されている作品があります。
青木野枝
空の玉/寒霞渓

「鉄を輪っかにして作った展望台となっています。
山のなかを散策していると景色がパッと広がった場所に作品があります。
ぜひ作品の中に入って、そこから見える景色を楽しんでください」


NEXT

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寒霞渓から土庄町の方へ車で降りていくと、
三宅之功
はじまりの刻
があります。

「高さ4m、幅2.5mの陶でできた作品で、卵型をしています。
夕陽を浴びて生きる命の象徴をイメージした作品です。
この場所が日本の夕陽100選に選ばれた場所で、
そこに作品が置かれることによって景色の美しさが倍増するような感じがします」

青い空をバックにした作品もステキですが、日本の夕陽100選に選ばれた絶景とともに
鑑賞するなら、1日のアート巡りの最後に訪れるのがおすすめです。

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伊東敏光 広島市立大学芸術学部有志
ダイダラウルトラボウ

夏会期から公開となった新作を中心に紹介していただきましたが、
小豆島の作品はもちろんこれだけではありません。
春会期から公開している作品が多く集中している三都半島(みとはんとう)も外せませんよ〜

小豆島は広いので、三都半島まで回ろうと思ったらとても1日では足りません。
1泊してゆっくり楽しんでください

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尾身大輔
ヒトクサヤドカリ

三都半島には広島市立大学の先生や卒業生が作った作品が多く展示されています。
大きくて見ごたえのある作品が多く、また
歩いて回れる範囲内に前回以前の作品も含めたくさん集中しているので
ぜひ立ち寄ってみてください。


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2022年08月09日

瀬戸芸2022夏会期/小豆島の新作

瀬戸芸佐藤 (2)00.JPG

瀬戸芸の夏会期がスタートし、
連日にぎわっている小豆島

今日の「瀬戸内しまラジ!」放送では
瀬戸内国際芸術祭実行委員会 事務局
佐藤敦(あつし)さんにご出演いただき、
小豆島に夏会期から登場した新作をご紹介いただいています。


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まずは中山エリア

ワン・ウェンチー(王文志)
「ゼロ」

「王さんは初回の瀬戸芸からずっと、
中山で竹を使った作品を制作しています。
今回の『ゼロ』というタイトルは、
コロナ禍で社会が大変なこの時期、過度な破壊のなかった状態に
一度リセットして、原点に帰ろうという意味が込められています。
棚田のなかにどーんと現れる感じが圧巻で
4000本の竹を使っているんですが、
中に入ると意外と風が通って涼しくて心地いいんです。
王さんの作品は一貫して自然との調和をテーマにしているので、
中に入って作品と自然と一体となって楽しんでほしいですね」

この作品が設置されている中山地区はあまり駐車場が多くないので
指定の駐車場に車を停めて、棚田のなかをのんびりと歩いて
作品の場所まで行ってください。

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続いては草壁港エリア

シャン・ヤン(向阳)
「辿り着く向こう岸」

「作家のシャン・ヤンさんは上海の方で、
2019年にも草壁港で作品を制作されました。
今回は、30×15mの台船のうえに、高さ9mの船が乗っているという作品です。
中国で廃棄された家具や建具を集めて
文化が失われないようにという意味を込めてそれを組み合わせ
再構築しています。
外から見るだけでなく、実際に乗船して
展示されている建具なども近くで見ていただけます」

ただ、こちらの作品は海の上に浮いているので
潮の満ち引きなどによって乗れない時間帯もあるのでご注意ください。


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坂手港エリア

新建築社+SUNAKI
「小豆島ハウスプロジェクト」

「メディアとしての場づくりをテーマとする、
新建築社の『新建築ハウスプロジェクト』の一つです。
民家を改装した空間に、アート作品を展示するほか、
インスタレーションの展示、さらにはフードトラックの出店など
複合的にさまざまな企画が行われる予定になっています」

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最後に福田エリア

イ・スーキュン(李秀京)
「そこにいた」

福田地区から寒霞渓に上がっていく道沿いに展示されている作品です。

「大きな石に金箔を貼りつけた作品で
大きな純金の塊という感じです。
古来、大きい石というのは神聖なものとして信仰の対象にもなっていたけれど
近年は道路工事などで大きい石が出ると邪魔者扱いされている。
それを一度見直そうと思いの込められた作品です」

220804_プレスツアー (63)00.JPG

福武ハウス
「アジア・アート・プラットフォーム協同展2022『Communal Spirits/共に在る力』」

「集落内の空き家を使ってさまざまな映像や作品を展示しています。
このなかには住民の方がワークショップで一緒に作った作品もあります。
また、福武ハウスでは葺田の森テラスというカフェもあり、
ここでは季節のジュースなども楽しむことができます」

福田のまちは採石業で栄えたエリアで
今も独特の景観が広がっています。

寒霞渓の山頂にも、青木野枝さんの作品「空の玉/寒霞渓」という作品がありますが、
この福田エリアから寒霞渓の山頂まで瀬戸芸の会期中のみ臨時バスが出ているので
ぜひ利用してください。

220804_プレスツアー (39)00.JPG

瀬戸芸の夏会期は8/5〜9/4まで。

香川県も連日猛暑日が続いていますので
熱中症対策はしっかりして楽しんでくださいね。


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