2025年05月14日

瀬戸内国際芸術祭2025/Inner Light - Floating Houseboat of Setouchi -

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今日、5月14日(水)と来週の21日(水)は
小豆島は休島日です。

瀬戸芸の期間中に設けられたこの休島日は、
屋内作品の鑑賞受付と臨時バスの運行、瀬戸芸案内所が休止になるので
今日または21日に小豆島のアート巡りを予定している人は
注意してくださいね。


くわしくは瀬戸芸公式ウェブサイトに掲載されている
作品公開スケジュールをご確認ください。



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木戸龍介
Inner Light - Floating Houseboat of Setouchi -


休島日でも、屋外作品は鑑賞することができます。
こちらは草壁港に設置されている木戸龍介さんの作品です。
木造の船に細かい彫刻が施されているのですが、
この船、ただの船ではありません。
家船(えぶね)といって、昔瀬戸内海で見られた
陸に住居を持たず船で暮らしていた人々の船なんです。
船内には居住スペースがあって、そこで家族が暮らしていたそう。
家船は今ではもう姿を消してしまいましたが、
その家船として使われていた船が、今回アートとして生まれ変わりました。





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船体に施された彫刻はとても細かく繊細で、
どうやって彫ったのか不思議なくらい。
作家の木戸さんによるとこの彫刻は増殖するウイルスをイメージしているそうです。


「制作は素材との対話。
彫ることで外からは見えなかった船の中が見えてくるけど、
それは船にとってはダメージが進む、つまりウイルスによる浸食が進んでいくこと。
しかも穴が開いてしまうと船としての機能は失われますよね。
でもその一方で、空間ができることで光や風が出入りして、
見えなかったものが見えてくる。
一度は活動を止めた船も、また呼吸を再開する。
そんな一面もあるんじゃないかと思うんです」


私たちは5年前、パンデミックによって生活の変化を余儀なくされました。
大きな出来事によって社会構造が変化し、人々のライフスタイルも変わっていきます。
かつて瀬戸内海にたくさんあった家船も、社会構造の変化によって姿を消しました。
「そういう変化のなかで僕たちは何を考えたらいいのか」と木戸さんは言います。



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「彫るたびに船の強度は弱くなるから、
安全性にも配慮しながら
どこをどの程度彫るかは作業をしながら決めて進めていきました」

船は地面から1mほど上がった場所に設置されていますが、
これは鑑賞者の頭がちょうど水面くらいの高さになるようにしているとのこと。
水の中から無数の隙間が開いた船を見上げると、どんな感じでしょうか。
家船の歴史や、社会の変化によって失われていったもの、今も残っているもの、
いろんなものに思いをはせてみてください。



木戸龍介
Inner Light - Floating Houseboat of Setouchi -
無料で鑑賞可能



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posted by しまラジ! at 07:00| 香川 | TrackBack(0) | ○瀬戸内国際芸術祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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