2024年11月17日

三都半島アートプロジェクト開催中

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11月9日から始まった三都半島アートプロジェクト
三都半島(みとはんとう)にある神浦(こうのうら)地区全体を会場とし、
空き家や広場にさまざまなアート作品が展示されています。

11月30日までの会期中、9時〜17時の間は建物が開放されていて自由に鑑賞可能。
今日は、今会期の新規作品8つを紹介します。


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「浮かんだ」
畠中沙和(はたなかさわ)

重く硬い「石」で、軽くやわらかい「水風船」を表現した作品。
空き家の畳の上に展示されていて、自由に入って触れるので、ぜひ触ってみてください。
想像と違ってちょっとびっくりしますよ。


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「から」
岩本依蕗(いわもといぶき)

亀をモチーフにした作品を作り続けている作者が、今回は亀の甲羅だけの作品を制作。
石をくりぬいて作られたもので、上に座ったり、甲羅の中に手を入れたりしてもOK。
ただし甲羅を通り抜けるのは危険なのでヤメテくださいね。
確かに亀って、ほかに似たもののない唯一無二の生きものですよね…。


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「家は何を見ているのか?」
](あい)

たとえば雲を見たときに動物に見えたりする「パレイドリア現象」を用いたドローイング。
写真ではわかりにくいですが、1階と2階が吹き抜けになったような空間の
2階の窓部分に絵がはめ込まれています。
家の窓を目に見立てたとき、家はその目を通してどんな景色を見ているのでしょうか。


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「怪獣舎」
Tokoma Tomato

作者が数年にわたり作り続けてきた怪獣たち36体を、元は牛小屋だった場所に展示。
以前から制作していたものだけでなく、
ここ神浦にある皇子神社の地盤、安山岩をモチーフにした怪獣も新たに制作。


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「咳をしても1人、明日は来る」
伊藤大寛(いとうたいかん)

タイトルの通り、小豆島にゆかりのある俳人、尾崎放哉(ほうさい)の句を参考にした作品。
この作品の制作中にたまたま風邪をひいた作者は、まさに「咳をしても一人」を体感して放哉に親近感を覚えたそうです。
咳をしても一人、際立つ孤独感。
室内と屋外の展示物がセットになった作品で、メインは室内に展示されている作品。
写真は屋外のもので、孤独な時間もあればしあわせな時間も流れるというイメージから制作した日時計。


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「Anbient Lustrous#Shoudo-mineral」
佐野翠(さのあきら)

風景を宝石や鉱物のように見せるという制作を続けている作者。
ある特定の場所を選んで
インターネット上の地図のデータを3Dに置き換え、それを3Dプリンターで出力…という、
1度聞いただけではワタシには理解できない方法で制作しています。
今回は、作者が普段暮らす広島から小豆島に来る経由地である岡山に加え、小豆島、三都半島という3つの場所を制作。
制作前にその土地を訪れた際に収集した「資料」も一緒に展示されています。



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「速来迎」
岡田祐人

車好きならひと目でわかる、スカイラインGTRをモデルに
自動車産業の変革をテーマにした作品。
アメリカでは製造から25年を超えた車は輸入しやすくなるそうで、
そのために日本からどんどん古い車がなくなっている現状への憂いと、
そこに日本人がもともと持つ死生観をかけあわせています。
素材はクスノキで、合計15m分くらいの丸太を使って作られているそう。
近づくと木のいい香りがしますが、作品には触らないでくださいね。


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「陸の魚」 
コトウ ミク

生の魚が好きでよく食べているという作者。
ただいつも作者が出会うのは切り身になった状態の魚で、元々は頭も尾もヒレもある生きものだったということが
わかっているようで本当にわかっているのか…?という気持ちから
魚をモチーフにした作品を制作。
空き家の1階のキッチンには日本の食卓によく並ぶサンマ、
2階の和室には、瀬戸内でよくとれるサバ、アジ、タコ、イカ、スズキ、タチウオを
ほぼ原寸大で制作、展示しています。


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作品には作者の嗜好性や制作の過程で考えたことがよく出ているんだなあと、
今回オープニングイベントで制作者の説明を聞いて強く思いました。
どんな気持ちでこれを作ったんだろう?
この部分をこういう形にしたのはどういう意図なんだろう?
そんな風に、作者の考えを想像しながら見るとまた面白いですよ。

鑑賞の際は電気自動車や電動キックボードのレンタルもぜひ活用してくださいね。



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posted by しまラジ! at 07:00| 香川 ☁ | TrackBack(0) | ○イベント・お出かけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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