2024年09月03日

大規模改修終了、無形民俗文化財指定−今年は特別な中山農村歌舞伎

221009_農村歌舞伎 (6)00.JPG


美しい棚田が広がる小豆島の中山地区で、
300年以上にわたり受け継がれてきた中山農村歌舞伎

大規模改修クラウドファンディング文化財指定
令和5年から6年にかけての約1年は中山地区にとって特別な1年となりました。

そんな中山農村歌舞伎について、今週と来週の2週にわたり
「瀬戸内しまラジ!」放送でご紹介。
ご出演いただくのは、中山農村歌舞伎保存会の久保政(ただし)会長です。


240902_農村歌舞伎 (2)00.JPG


「今年は3月に、中山農村歌舞伎が
小豆島農村歌舞伎として
国の重要無形民俗文化財に指定されました。
それより前に歌舞伎の舞台が有形の文化財に指定されていて、
有形と無形、両方で文化財になることは全国的にもめずらしいことなんです。
それも、先人の方々がつないできてくれた、その積み重ねがあるおかげだと思います」

中山の人たちは、子どもの頃からみんなが歌舞伎に親しんでいます。
毎年秋の奉納歌舞伎に向けて
大人も子どもも、夏休み中、あるいは放課後や、仕事が終わってから、一生懸命稽古をします。
役者さんはもちろん、三味線や太鼓などの鳴り物も、
着付けや化粧、そして裏方まですべて地域の人たちで作り上げているんです。


221009_農村歌舞伎 (59)00.JPG


この中山農村歌舞伎は350年〜400年ほど前から受け継がれてきた伝統文化です。

「以前は中山の人だけでやることにこだわった時期もありましたが、
中山地区もどんどん人口が減っています。
中山の人にこだわらず、また小豆島にもこだわらず、
中山の農村歌舞伎に参加していただけるという人がいれば
誰でも、みんなに参加していただいて、この魅力が伝わっていけばと思います」



240721_中山ツアー (84)00.JPG


歌舞伎の演目はいろいろありますが、
中山農村歌舞伎で演じられる演目にも一つひとつ台本というものがあります。

「“根本(ねほん)”と言うんですが、これまでのものはすべて蔵に所蔵されています。
全部で300以上の根本があるんですが、そのなかでいま中山の保存会で演じることができるのが20から30演目くらい。
やっぱり物語がわかりやすく痛快なお話は人気がありますね」


240721_中山ツアー (72)00.JPG


そして、この1年は中山にとって大切な1年だったと言いましたが、
文化財指定とあわせてもう一つ重要な出来事がありました。

「約1年をかけて行った大規模改修が、今年3月に終了しました。
大規模工事だったので、いろんなところが補強されたりきれいになったりして、
これで私の代といわず、今後50年、100年とこの舞台が続いていくと思います」


この大規模改修にあたっては、実際に解体・修理を進めていくにつれて
想定していた以上の傷みや修復の必要な箇所がどんどん出てきて、
地元の資金だけで行うのは不可能だということで
クラウドファンディングも実施されました。
目標金額1,000万円に対し、1,216万円という結果で終了。
このクラウドファンディングのリターンとして秋の奉納歌舞伎の観覧を選択した人も多く、
その人たちにとってもこの1年待ち続けてきた奉納歌舞伎ということになります。


今年の中山春日神社奉納歌舞伎
9月29日(日)17時開演です。
詳しい演目などは、来週、9月10日(火)の放送とブログでご紹介します❗



≪関連記事≫


posted by しまラジ! at 07:00| 香川 ☀ | TrackBack(0) | ○歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック