2024年02月03日

作物を育て、土を育む/yorisou farm en

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先月の草壁月市で出会った、yorisou farm en(ヨリソウファーム エン) の平井さんご夫妻。

三都半島の蒲野という場所で
自然農をベースにした農業に取り組んでいると聞き、
取材させていただきました。

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「“自然農”っていう農法があるんです。
最初に畝(うね)を作ってからは、土を耕すこともしなければ
農薬も肥料も使いません。
“虫や草を敵とみなさない”という考え方で、
畑のなかに自然に生える草ややってくる虫は
すべてその土地にとって必要なもの、
自然に生えた草もやがて枯れて微生物のエサとなって
土を豊かにしていくというものなんです」


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たとえば今は畑にカラスノエンドウが生えていますが、
カラスノエンドウの根っこにある根粒菌が
植物の生育に必要な窒素を土中で供給してくれるため
その周辺の作物も栄養がたくさんとれるそうです。


「耕さない」「肥料もやらない」農業だったら、
種をまいたら終わりで何もしなくていいの?
と思った方もいるかもしれませんが(ワタシもちょっと思ってました)
そうじゃないんです。

伸びた草は、根を残して鎌で刈って
それを畑の土にかぶせて黒マルチ(畝にかぶせるポリエチレン製の黒いシート)
の代わりにしているそう。

これによって土の温度と湿度を保ちながら、
やがてこの草が枯れれば養分にもなる。
自然農は、作物を作っている一方で、土を育ててもいるんですね。


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畑のそばでは落ち葉で腐葉土を作っていました。

山からとってきた大量の落ち葉を、勝手に発酵・分解されるまで放置して
それを畑に使う・・・のではなく、
ハウス内で種から苗を育てるための育苗土(いくびょうど)の材料として使っています。

また、基本的には肥料を使いませんが、
どうしても作物がうまく育たない、元気が足りない、という場合には
米ぬかと草を混ぜて発酵させた“ぼかし肥料”を
ほんのひとつまみ、土に与えることもあるそうです。


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畑では季節ごとに新たな作物が育ち、
時期が過ぎれば命を終えて
また次の作物を育てる養分になる。

そうした「循環=円への想いも
屋号に込められているそうです。

機械は使わずすべて人の手とそこにある土と草で、
自然農をベースとしながら自分たちの理想の農業の形に近づくため
日々土と向き合っているおふたりでした。


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もともと大手企業で働く同僚だった孝治さんと優実さん。
転勤も多く忙しくはあったものの、
充実していて仕事にも不満はなかったそうですが、
優実さんが体調を崩したことをきっかけに土に触れるようになり、
それから畑を借りて孝治さんも一緒に家庭菜園を始めました。

仕事は充実しているけどストレスもある。
このまま時間と体力を浪費しながら過ごしていくのかと考えたときに
もっと地に足の着いた暮らしをしたいと思うようになり、2021年に退職。
その後1年間、ふたりで農家で研修をして
2022年の7月、孝治さんの祖母が暮らしていた家と畑のある小豆島に移住してきました。


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「祖母がもっていた畑もありましたがほとんどが耕作放棄地で、
草はぼうぼう、でっかい木も生えていて。
それをまず整地するところからのスタートでした。
ほとんど機械を使わず作業する僕らを見て、周りの人たちは
『ヤバイやつらが来た』と思ったでしょうね笑」


関西のノリでとても話しやすい雰囲気のおふたり。
農業に対する考え方はとても奥が深くて
まだまだ聞き足りない・・・(というか1回では覚えきれない)
畑の見学会や自然農を学ぶ会なども企画しているので
興味のある方は問い合わせてみてください。

また、明日、2月4日に行われる草壁月市にも出店予定。
ふたりが作ったサツマイモを使った壺焼いももありますよ。
ぜひ足を運んでみてくださいね。






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posted by しまラジ! at 07:00| 香川 ☁ | TrackBack(0) | ○日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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