昨日、6月23日、
壺井栄さんの57回忌にあたる日、
第51回 壺井栄賞授賞式が行われました。
壺井栄さんの57回忌にあたる日、
第51回 壺井栄賞授賞式が行われました。
小豆島が生んだ作家、壺井栄さんの文学を顕彰するとともに
郷土の児童生徒の文学資質の向上と発展を図るため創設された壺井栄賞。
郷土の児童生徒の文学資質の向上と発展を図るため創設された壺井栄賞。
毎年県下の小・中・高・高専生(1〜3年生)から作文を募集しており
今回は12校から68作品の応募がありました。
来賓のみなさんと受賞者が順に記念碑に献花をした後、表彰に移ります。
今年の入賞者を、審査員の芦原すなおさんからの講評(一部)とともにご紹介します。
※学校名・学年は応募当時のものです
※学校名・学年は応募当時のものです
壺井栄賞
「あったかべんとうをめしあがれ」
小豆島町立苗羽小学校1年
森 海伊理さん
「あったかべんとうをめしあがれ」
小豆島町立苗羽小学校1年
森 海伊理さん
「読んでいて楽しい気持ちになった。
文章も軽快で、お弁当を作っているおばあちゃんもパパもニコニコしていて
このお弁当屋さんが地域にとってなくてはならない存在なんだなと伝わってきた。
僕もここのお弁当を食べてみたいなと思いました」
森 海伊理さんのおうちは、苗羽でお弁当を販売している弁天丸商店さんです。
優秀賞
「ぼくの大すきな場しょ」
小豆島町立星城小学校2年
木下琥太郎さん
「ぼくの大すきな場しょ」
小豆島町立星城小学校2年
木下琥太郎さん
「小さな男の子の幸せな姿そのものだなと感じた。
虫を捕まえたりするのが好きな少年、でも一番好きなのはお母さんの膝の上。
この年代の子ってそうだよなと納得する。
自分のことなんだけど客観的に描かれている作文でした」
木下琥太郎さんは、昨年の第50回壺井栄文学賞で壺井栄賞を受賞し、2年連続の入賞となりました。
優秀賞
「ぼくの気持ちのつたえ方」
小豆島町立池田小学校3年
船波大雅さん
「ぼくの気持ちのつたえ方」
小豆島町立池田小学校3年
船波大雅さん
「気持ちが落ち込んだときにお母さんが紹介してくれた絵本。
『おぼえていろよおおきな木』という絵本なんですが、その本を通して
大切なものをどう守らなきゃいけないのか
自分の気持ちをどう伝えなきゃいけないのか
他者との関わり方の原理というと大げさですが、そういうことをしっかり軸に考えて書いたんだなと思いました」
優秀賞
「赤ちゃんになっていくひいばあちゃん」
土庄町立土庄小学校4年
天滿瑞希さん
「赤ちゃんになっていくひいばあちゃん」
土庄町立土庄小学校4年
天滿瑞希さん
「これは読んでいてつらかった。
元気だった、とてもかわいがってくれたひいばあちゃんが
101歳になり、まるで幼児に戻ったような言動をするようになる。
主人公はそれがとても悲しいんですね。
でも胸の中にはかわいがられた思い出を大切にしている、そして長生きしてほしいとも思っている。
どの家庭でもあることをうまく描いた、胸にしみる作品でした」
優秀賞
「星空の下 起こった奇跡。」
高松市立鶴尾小学校5年
久保田 遥さん
「星空の下 起こった奇跡。」
高松市立鶴尾小学校5年
久保田 遥さん
「これはちょっとほかの作品とは違う。
主人公は小説好きで文芸部に入って小説を書いてるんですが、
この主人公の名前が作者とは違うんですね。
だから作文というわけではない。
この主人公がなかなかいい小説が書けず、
ある夜、星を見ていると不思議なことに1年前に亡くなった弟が現れるという不思議な体験をして
それで小説を書き上げることができる。
その後は視点が変わり、その男の子の一人語りになるんです。
短いなかで見事な幻想小説を完成させたなと思いました。
この作者もたぶん小説を書いているのではないでしょうか。
これからも書いてほしいです。ユニークなものを持っていると思います」
優秀賞
「死ぬことは生きること」
香川大学教育学部附属高松中学校2年
白井 結さん
「死ぬことは生きること」
香川大学教育学部附属高松中学校2年
白井 結さん
白井さんは代理でお母さんが出席されていました。
「これもつらい気持ちになる作品。
おじいさんが亡くなるんですが、その亡くなるまでがつらい。
施設と病院を行ったり来たりして、最後は胃ろうという処置がされる。
そして亡くなったあと、作者は瀬戸内寂聴さんの本を読むんですね。
そのなかの『苦しみながら最後までがんばったことが、よく生きたことになる』という言葉に救われる。
重いテーマだけど鮮やかな作品でした」
壺井栄さんのお孫さんの加藤公市さん。
「今年の受賞者はきれいに年齢順に並んでいましたが
小学校1年生から中学校2年生まで、
8年間の子どもの成長を見せられたような気持ちでした。
前半の作品は、家族への愛情をストレートに表現した作品、
そして後半は老いや死が取り上げられ、
光だけじゃなく影の部分も描かれている。
成長とともにものの見方やとらえ方は当然変わっていくものですが
それがより鮮明に見えたように感じました」
壺井栄賞を受賞した森 海伊理さん。
「最初に受賞したと聞いたときは夢かと思ったけど、
新聞に載ってからみんなにおめでとうと言われてとてもうれしい気持ちになりました。
たくさんの人が喜んでくれて、がんばって書いてよかったなと思いました。
これからもパパとおばあちゃんにおいしいお弁当を作ってほしい。
そしてもっとたくさんの人に弁天丸のお弁当を食べて幸せになってもらいたいです」
新聞に載ってからみんなにおめでとうと言われてとてもうれしい気持ちになりました。
たくさんの人が喜んでくれて、がんばって書いてよかったなと思いました。
これからもパパとおばあちゃんにおいしいお弁当を作ってほしい。
そしてもっとたくさんの人に弁天丸のお弁当を食べて幸せになってもらいたいです」
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