2022年11月30日

農業、いのち、食べるということ/鈴木農園

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小豆島町の雑木林で、自然放牧で豚を飼う鈴木農園さん。
リストランテFURYUや創作郷土料理暦、草壁ハム製作所など
そのお肉は島内でもたくさんの飲食店などで提供されています。

そんな鈴木農園さん、これまでにもたくさんのメディアで紹介されていますが
意外にも「しまラジ!」でははじめまして
遅ればせながら、鈴木さんのブタさんに会いに行ってきました

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放牧地があるのは小豆島町の山の斜面の雑木林。
電気柵で囲ったいくつかのエリアで、約50頭のブタたちがのびのびと過ごしています。

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ブタたちが食べているのは、野菜くずや素麺くず、人間の残した残飯などを炊き、
おからや蒸し大豆、ビールの搾りかすなどを混ぜたもの。
通常、大規模な豚舎で飼われているブタたちが6〜7か月でお肉になるのに対し、鈴木さんのブタたちは1年以上かけてゆっくり大きく育っていきます。


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青年海外協力隊で行ったセネガルで、動物を殺してその肉を食べるということに対する意識が変わったという鈴木博子さん。
帰国後、農業を生業としたいと考え何を作ろうか模索した結果、
島で出る残飯の処理や廃棄食材の問題の解決にもなるという思いから、養豚を始めました。

「うちの豚たちは、雑木林のなかで穴を掘ったりふかふかの草をベッドにしたりしながら、自ら快適な環境を作り出して暮らしています。
エサを取り合ってケンカしたりもするし、お母さん豚は何も教えてないのに上手に子育てをします。その様子を見ていると、本当に人間と一緒だなと思う。豚にも個性があって、食べたあとは極力動かず“痩せない努力”をしている子もいれば、体が弱くてあまり大きくなれない子もいる。当然のことですが、豚にも個性や個体差があるんです」

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鈴木農園のブタたちは、豚舎ではなく雑木林のなかで生活しています。
出産のときは一度に10数頭の子豚を産みますが、生まれてから乳離れするまでの約2ヵ月くらいは、お母さんと子どもたちはほかのブタと離れて一つのエリアで過ごします。

「お母さん豚でも個体差はあって。はじめてでも上手に子育てするお母さんもいれば、育児放棄してしまうお母さんも過去にはいました。育児中は疲れているしストレスも溜まると思うので、エサもその子が好きなものやおいしいものをあげたりするようにしています。
お乳をあげるときは、すごくやさしい声で鳴くんですよ」

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ブタたちは、2週間に1度のペースで数頭ずつお肉になっていきます。
鈴木さん自ら軽トラでブタをと畜場へ運び、戻ってきたお肉をパッキングして、契約している飲食店などへ届けます。

「スーパーで買った肉に対して、この肉は脂身が多いなとか、肉が固いなとか思うこともあると思います。でもそれも、一頭一頭違う豚の個性。脂身の多い肉は、もしかしたら食べたあと極力動かない、痩せない努力をしている豚だったのかもしれません。
私たち人間は、動物を殺してそのいのちを食べています。その人間が残した残飯や野菜くずを、うちの豚たちは食べて大きくなっているんです」

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いのちを食べるということ、食べ物を大切にするという当たり前のことを、鈴木さんのブタたちが教えてくれているようです。

そんな鈴木農園のお肉、じつは小豆島町のふるさと納税の返礼品にもなっているんです。

「うちの豚肉のほとんどは契約している飲食店や個人のお客さんにお届けするんですが、少し余ることもあるんです。そういう肉を、秋冬の期間限定でふるさと納税の返礼品にしてもらっています。
小豆島で、こんな風に育った、こんな肉があるんだということを、島外の人にも知ってもらう機会になればと思っています」


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posted by しまラジ! at 10:00| 香川 ☁ | TrackBack(0) | ○日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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