2022年06月07日

中山千枚田の未来/地域おこし協力隊

220601_中山千枚田 (1)00.JPG

山の斜面に沿って、大小さまざまな田んぼが並ぶ中山千枚田
今、田植えシーズン真っ最中です。

S__33652754.jpg

今日の「瀬戸内しまラジ!」放送では、
小豆島町農林水産課の地域おこし協力隊

(左)
中山棚田活性化推進員
小木曽裕紀さん

(右)
中山棚田保全推進員
長棟快さん

にご出演いただき、
中山千枚田の魅力や今の取り組みについてお話いただいています。

211122_棚田アイス (7)00.JPG

「私は棚田の活性化担当ということで
定期的に地域の若手と意見交換をしながら
新しい取り組みを模索し、活性化を図っています。
中山千枚田には約780枚の田んぼがあり
日本の棚田100選
つなぐ棚田遺産にも選ばれているほど
魅力的な景観を誇っています。
また、昨年小豆島町が世界の持続可能な観光地トップ100に選ばれた際も
中山千枚田の保全活動に関するエピソードが高く評価され、日本だけでなく海外からも注目されています」

220601_中山千枚田 (34)00.JPG

「中山地区は南北朝時代に開かれたとされていて
そのころから湯船の水で稲作をしていたと言われています。
雨の少ない瀬戸内では水の確保が課題になりますが
この湯船の水があったために中山は稲作が盛んになったと言われています。
冬でも枯れることなく、1日に300トン湧き出ているとも言われている貴重な水です」

220601_中山千枚田 (13)00.JPG

9年前の棚田協議会発足以降、50枚ほど耕作地が増えた中山千枚田。
さらなる活性化のために、今年新たに始まったプロジェクトがあります。

「中山千枚田の一番の課題は、後継者不足。
地元農家だけではなかなか維持していくのが難しいということで
外部の力を借りようということになり、
今年から棚田アカデミーというプロジェクトがスタートしました。
中山地区外の人に、地元の農家が棚田での米作りをていねいに教えて
将来的な担い手に育成するプログラムです。
現在地元企業から数人、個人でも数人集まっていて
草刈りや代掻きなどの作業を一緒に行っています」

220601_中山千枚田 (5)00.JPG

長棟さんは、今年4月13日に着任し、
翌14日から田んぼに出て実際に米作りを行っています。

「すばらしい棚田の景観の一端を担わせてもらえてうれしいです。
普通、田んぼと聞いて思い浮かべるのは真四角の広い田んぼだと思いますが
棚田は真四角でもなければ傾斜もあって
普通の農機が入れない場所もたくさんあります。
だから、トラクターやコンバインなど農機に乗って作業できる場所は少なく、
ほとんどが農機を自分の手で押しての作業。
よく、『棚田の米作りは労力2倍、収量半分』と言われるのですが、
4月からたった1ヵ月半作業しただけの僕の感覚で言っても、
労力は倍どころじゃない💦ですね」

220601_中山千枚田 (24)00.JPG

3月頃から田植えが始まって、7月頭頃まで続きます。
面積が広いのもあるし、刈り取りのことも考えなきゃいけないので
少しずつずらしながら植えていくんです。
中山地区の農家さんはほとんどが兼業農家。
平日の仕事が終わった後や休日を使って米作りをしています。
労力2倍といわれる棚田で、兼業でも米作りを続けているのは、やっぱり中山のお米がおいしいから。
先祖代々受け継がれてきた自分の田んぼを守りたい気持ちもあるでしょうし
そんな田んぼで作ったおいしいお米を食べたい、
そして親戚や大切な人にも食べてもらいたい
そういう気持ちなんだと思います」

220601_中山千枚田 (31).JPG

先週、棚田で作業中のおふたりのところへ取材に。
この日は田植えの前のあぜかけという作業をしていましたが
「そんなんじゃいかんわ〜!!とやって来た人が。

220601_中山千枚田 (40)00.JPG

千枚田のことなら何でもご存知の重鎮、大峯さん
「あぜいうのはこうやって作るんや〜」と
実演して見せてくれました。
「ちゃんと作っとかんと、台風来たら水があふれてナイアガラの滝みたいなるぞ〜」

220601_中山千枚田 (47)00.JPG

棚田での米作りのことだけでなく
これまでの棚田保全活動のこともよくご存知の大峯さん。
仕事としての農業は初心者のふたりに
こうしていろいろ教えてくれるそうです。

地元の人たちの見守りと支えがあって、協力隊のふたりもそれぞれの活動ができているんですね


≪関連記事≫



posted by しまラジ! at 07:00| 香川 ☁ | TrackBack(0) | ○日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック