2022年03月22日

おいしいオリーブオイルのある暮らし

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先週に引き続き、今日も
「瀬戸内しまラジ!」放送では
香川県農業試験場 小豆(しょうず)オリーブ研究所
所長の窪田健康さんにご出演いただいています。

3月15日の「オリーブの日」に合わせて
小豆島のオリーブ栽培の歴史を改めて教えていただきました〜


オリーブチキンカフェ03.JPG

1907年、国が三重県、香川県、鹿児島県の3県を指定して
翌1908年にその3県でオリーブの試験栽培が始まりました。
そのうち香川県の小豆島のみが栽培に成功。
その後、1917年に農業試験場でつくった1220本の苗木が小豆島をはじめ香川県に配布されたことで
香川はオリーブの産地となりました。

「しかしその後、戦後の輸入自由化で安価な外国産のものが増えたこと、
さらにオリーブの天敵であるアナアキゾウムシに効果がある
エンドリンの使用が禁止になったことで害虫被害が増えたことにより、
香川県のオリーブ栽培面積は1964年の130ha(ヘクタール)をピークに
1985年頃には34haまで減少したんです」

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そんな時期を経て、今では200haを超える栽培面積を有する香川県。
岡山や広島でも栽培が盛んになり、栽培面積では全国シェアは50%を切っていますが
生産量は90%代を保っています。

香川県がオリーブ栽培のトップワンであり続けるためには
栽培技術だけでなく品質も大切だと窪田さんは言います。

「日本の食品表示基準では、オリーブオイルは
“オリーブ油”と“精製オリーブ油”の2つだけ。
ですが海外には、“エキストラバージンオリーブオイル”や“バージンオリーブオイル”などといった細かい表示基準が設けられています。
そのため香川県では、県産オイルの品質の高さを示すため、
独自の品質表示制度を設けています」

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官能評価では、オイルの色が見えないよう赤いグラスを使っています

小豆オリーブ研究所は、日本で唯一の
オリーブに特化した試験研究機関。
オリーブの栽培技術の確立、優良品種の選定や品種の育成・保存のほか
オリーブオイルの官能検査、つまりテイスティングによる品質評価もしています。

栽培だけでなく収穫や採油にも細心の注意を払って
高い品質を保っている小豆島産のオリーブオイル。
香川県独自の品質表示や、国際基準のパネルにより行われる官能評価試験など
さまざまな方面のサポートがあってのことなんですね。


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「各生産者の努力や研究ももちろんあるけれど、個人でできることには限界があります。
オリーブ研究所は、文献や海外とのつながりなどいろんな情報をもっているので
そうした情報を提供することで高品質なオリーブ作りに貢献できればと思っています。
採油機の導入や、採油機のメンテナンスなどについても
オリーブ研究所でサポートしています。
香川県の職員としてオリーブに携わる生産者・事業者さん皆さんの力になっていきたいと思います」


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昭和60年に就職して以来、
長くオリーブに携わってきた窪田さん。
小豆島のオリーブに直接仕事で携わったのは、全部で3回、計16年になるそうですが
それ以外のときもライフワークとしてオリーブの研究を続けてきました。

「最初、オリーブってものすごく小さい世界だと思っていたけれど
そのドアを開けてみたらものすごく広くて深い世界が広がっていたんです。
オリーブに関わるようになって、いろんなオリーブオイルを手に入れては
これはどんな食材に合うかな、魚か肉か、あるいはどんなパンやチーズに合うか
そういったことを考えていくことで、私自身の食生活も豊かになりました」

今では当たり前にいろいろな種類のオリーブオイルが手に入る時代。
さまざまな組み合わせや味わい方を考えて
豊かな食事の時間を楽しみたいですね。


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posted by しまラジ! at 07:00| 香川 ☁| ○日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする