2020年10月16日
小豆島、秋祭りによせて
2019/亀山八幡宮秋祭り
昨年まで小豆島最終日の秋祭りとあって賑やかな様子を
見せてくれていた亀山八幡宮の秋祭り。
今年は、どの地域も自粛をして様子を見てイマス。
小豆島の秋祭りの歴史に詳しい亀山八幡宮の高尾直人宮司さんに
今年の様子や歴史を教えていただいてマス。
2019/亀山八幡宮秋祭り
「小豆島で秋祭りが行われていた物証、絵馬があります。
讃岐でいうちょうさ、小豆島では太鼓台ですね、その原型が描かれた
絵馬がございます。こちらは、香川県立ミュージアムでレプリカが
ご覧になれます」。
その絵馬に描かれているのは約200年前の島の祭りの様子。
「農村歌舞伎や馬場での奉納を見ようと300年ほどまえから桟敷が
作られ始めていたのも、絵馬の様子で分かります。
これほど前から熱心に奉納が行われてきたので、今年もただ取りやめと
いうのには反対意見もありました」。
時節柄、どの地域も考えに考え抜いての決断だったと思いマス。
先日中山では奉納歌舞伎の一部「三番叟」だけが演じられたり
他地区でも地元だけを巡る太鼓台が引かれたり、また福田では
途絶えたことがない神事として獅子舞が奉納されマシタ。
毎年、太鼓台に乗るのはその地域の選ばれた小学生までの
お子さんとあって今年最後、と思い切って地域の方が太鼓を出すと
いう場面もありマシタ。
2019/亀山八幡宮秋祭り
「桟敷が長年かかって今の国の指定民俗文化財となるほどですから
地元の方の熱意はたいへんなものです。
桟敷も、封建時代に権力者が作ったのではなく、民衆が作りあげ
ていますから」。
「香川県からの自粛要請もあり、コロナの終息に何年かかるか
分からず今年は残念に思いますが、人々の心にある不安、差別
憂うところが徐々に落ち着いて、次にできることが来年は
見えてくるのではないでしょうか」。
伝統文化は利権的、合理性などから離れたところにあるものの
今回のような事態には無理やり合理性を求められていると高尾宮司さん。
2019/内海八幡神社秋祭り
「お祭りも重要ですが、人心の落ち着きが一番です。
神様に感謝の気持ちをもってお参りするだけで
ゆったりした島の時間、1日を過ごしていただけたら、と思います」。
亀山八幡宮では今日、午前11時から終日、参拝の方をお待ちしています
とのことデス。
華やかで技術も競う、小豆島最終日の秋祭りの日。
皆さまが健やかに過ごせマスよう、ふくろうも祈っておりマス。
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