秋祭りが終わり観光シーズン真っ只中の小豆島。
気温がぐっと下がると島では醤油の仕込みが始まりマス。
「最近では夏でもタンクを使うと温度調節ができるので
仕込みはできるんですが・・・仕込み量が少ないところでは
低温で最初は仕込むので秋祭りが明けて10月末、11月にかけて
仕込みをするところも残っています。」と植松勝久さん。
改めてお醤油をもっと詳しく知りたい!と、自社で仕込みをしている
ヤマヒサ醤油さんの仕込みを見学させていただきマシタ。
「今日は大豆を圧力釜で高温の蒸気で蒸しています。」
と言って見せてくれた大豆。
むっちりしてホカホカで濃厚な味わいで甘かったデス(食ったんかい!)
・・・大豆からして旨いので出来上がりは推して然るべし。
こちらは前日に炒った小麦と種麹を合わせているところ。
「今日は輸出用の醤油の仕込みですね。」
ヤマヒサ醤油では「シンプルですよ」と植松社長はおっしゃいマスが
主に欧米に輸出される用、
国内用の数種用にそれぞれ違った小麦、大豆を使用してイマス。
基本は有機の材料を使っていて材料そのものから安心なお醤油デス。
ちなみにこれが種麹・・・思ってた色とちょっと違う
(白っぽい何かと思い間違ってマシタ※下記記事参照)
「種麹はカビですよ、カビの色をしているでしょ?」
国内に麹カビ、種菌を作るメーカーも少なくなっているそうで
「大きな会社は2社、小さなところで3社しかないんです。」とのこと。
小豆島でも昔は作られていたんだそうデスよー。
さて、麹が作られる麹部屋。
混ぜ合わされた材料がオートマチックにどんどんたまってイマスが
スタッフの方が中に入って微調整。
「何でもできる機械っていうのはなくて、原料や気温、湿度で
細かい調整は人がやるのが基本です。」
『醤油は蔵に住み着いた菌が勝手に作ってくれる』と
聞いてマスが、なかなかどーして、蔵に入るまでは手がかかるもんデシタ。
そしてこちらが醤油つくりに欠かせないもう一つの材料、塩。
・・・塩って国産じゃないんデスよね???
▲塩水を作るところ
「1972年に塩の専売特許法ができて昔は塩田で地元で作っていたものが
純度の高いNaClですね、それを輸入して使うことに決まったんです。
そして日本で塩を一番多く使うのは実は石油精製、薬品会社などで
輸入されている塩の半分を使用しているんですよ。」
不純物のない原塩が必要な業界のため、今でもオーストラリア、メキシコから
輸入された天日塩を使っているんだそう。
「最近、自由化されて昔ながらの塩でやろうとする動きも
出ていますし、自社でも作ったことがあります。」
天然の国産塩はにがりなどの成分が含まれるため今後まだまだ
お醤油に使われるようになるには問題がコスト面だけでなくあるようデス。
そうして木桶で発酵、熟成を経たもろみが絞られてお醤油になりマスが
・・・これで終了ではなく、火入れ、ろ過と工程は続きマス。
「醤油というのは昔、高価なものだったんです。
江戸時代には庶民には手が出なくて
炒り酒など梅干しを使った代用品が使われていたほど。
昔ながらの手のかかる製法で作る醤油はやっぱり多少高価になりますね。」
炒り酒は今、またブームのようデスがあくまで昔は醤油の代用品デシタ。
小豆島では木桶醤油が今も作られ、現在20軒のお醤油屋さん
それぞれの味わいが楽しめマス。
醤油の原点をうかがいつつ基本的な作り方を教えていただきマシタ。
ヤマヒサ醤油さんの見学希望の方はお電話でお問い合わせをしてクダサイ。
基本はもろみ蔵見学ができマス。
「仕込みまで見たいという方は相当マニアックですね。」と笑っていただけマス。
<strong>ヤマヒサ醤油
住所:小豆島町安田甲243番地
tel:0879-82-0442
事務所休業日:土日祝
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