瀬戸内国際芸術祭2016、食のフラム塾の公式イベントとなった
「本からうまれる一皿」主催の岸本等さんにお会いしてキマシタ。
今週末の4月30日にも開催される「本からうまれる一皿」の
献立、そしてこの企画を始めたきっかけについてもお話を伺いマシタ。
「小豆島には小豆島霊場88か所のお寺や庵があります。
庚申堂というのは庵ですね。」
庚申と言うのは十干十二支に陰陽五行思想を当てはめた
昔の日にち、時刻の表し方デス。
「お腹の中に3つの虫がいて庚申の夜に寝ると
天の神様にその人のことを報告するんですね。
そうすると寿命が縮むというので夜通し起きているという風習があったんです。」
この風習は三尸虫(さんしちゅう)という虫が体の中にいて
悪いことをすると天帝にご注進するという道教に由来しているそうデスよ。
現在は小豆島でもこの風習はないものの庚申堂という庵だけが残ってイマス。
さて、岸本さんは小豆島から大阪に出て調理のお仕事をされていたそうデスが・・・
「おいおいは小豆島に帰るというのはあったんですが
第一回目の瀬戸内国際芸術祭があったことが魅力で帰ってきました。」
奥様の岸本玲子さんも瀬戸内国際芸術祭に魅力を感じた一人。
またお二人の趣味が読書であることが今回の企画に大きく影響したそうデス。
「本好きの妻が小豆島のことが知りたいというので勧めたのが
壺井栄さんの随筆でした。自分でも読んでみてすごく面白かったんです。」
「小豆島のことがたくさん書いてあるんですが
自分たちの母親の年代の更に上の年代ですので聞き取り調査もして
発見もたくさんありました。」
前回、初めての『本からうまれる一皿』では昔が懐かしいと
小豆島の年輩の方にも好評だったそうデス。
さて、今月は???
「次回4月30日は花まつりというタイトルで
花の名前がタイトルのある小説、随筆から食の記述をメニューにしました。」
鯛の唐揚げ、イタドリのもろみ漬け
菜飯、小鯵の南蛮漬け、せりせりこんぼ和え、ふし麺の味噌汁、山の神様のお土産
名前を聞くだけでも面白いんデスけど!
「せりせりこんぼ、っていうのはおしくらまんじゅうのことなんです。
デザートはかんころ団子の甘茶ゼリー寄せ。
かんころはサツマイモの粉を団子にしたものです。
オリーブが栄える前は小豆島は芋の島と呼ばれていたと記述があるんです」
へー!芋の島・・・(オリーブが栄えてよかったデスなあ)
今回2回目となる本から〜どんどんやってみたいことが増えていると岸本さん。
「庚申、やっていた時に生まれた人がもう百歳を超えるんですね、。
小豆島の庚申の夜は実際は想像するしかないんです。
途絶えた文化、理念、昔の文化を甦らせるのも1つのコンセプトなので。」
「企画を通して過去を知っていただくと同時に
今の食産業、生き様、人を食を通して見ていただきたいです。」
今月は4月30日(土)午後4時〜22時、坂手観光案内所階(ei CAFE)
16時から、17時半から、19時から、20時半からの4回に分けて開催。
「8月27日には苗羽にある庚申堂でお料理を提供したいと思っています。」
初めて出会うひと、地元の方との出会い、つもる話に気になる話・・・
小豆島の庚申の夜にゆっくりお話ししましょう。
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