虫送りは農作物の害虫を駆逐し、その年の豊作を祈願する伝統行事です。
半夏生の日に田んぼの畦道を、松明を持った子どもたちが練り歩いて
「五穀豊穣」と「害虫駆除」などの祈願をします。
夕方、薄暗い中にゆらゆらと小さな炎が列を作って動いていく様子はとても
幻想的です。
(写真提供:土庄町教育委員会 生涯学習課 課長 南堀英二様)
半夏生の日とは、暦の上では夏至から数えて11日目。
毎年7月2日頃なんですが、今年は閏年で7月1日に行われます。
半夏生の日にずっと虫送りを続けているのは肥土山地区です。
1661年から350年間も続いていて、1970年に土庄町の無形民俗文化財に指定されました。
今年も午後6時から、小豆島霊場46番札所多聞寺でご祈祷があって、
ご本尊にお供えしている燈明を手燭に移し、その火を持って、まずは近くにある虫塚に向います。
虫塚で虫供養を行なった後、肥土山離宮八幡神社、肥土山農村歌舞伎舞台で参加する子どもと合流します。
火手と呼ばれる竹で作った松明に火を点けると田んぼの畦道を約1km下手にある蓬莱橋まで練り歩き、蓬莱橋まで来ると火手は川に流されます。
火手は長さ約1.5mほど。火手を持つお子さんの体の大きさに合わせて各家庭で工夫して作られます。
行事としては、関係ないんですが、火が長く消えずに残った方が勝ち
と子どもたちだけでなく、火手を作る大人たちも一生懸命なんだそうですよ。
楽しそうですね。
昔は練り歩きながら「稲虫 来るな。実盛 失せろ。」と唱えていたそうです。
稲虫はそのまま稲につく害虫のことですが、実盛と言うのは平家の武将、斎藤実盛のこと。
平安末期、源義仲との戦の時に稲に足を取られたことが原因で打ち取られて
しまった実盛は稲を恨んで稲虫、害虫になってしまったとか
今でも肥土山のお年寄りは稲につく害虫を実盛と呼んでいるそうですよ。昔は山手の中山から麓に向かって肥土山、黒岩、上庄、北山と火をつないで海へ
虫を送っていたこともあったそうです。
(写真提供:土庄町教育委員会 生涯学習課 課長 南堀英二様)
7月1日は肥土山で350年も続く伝統行事に触れてみてはいがかですか?
見学、写真撮影に訪れる人も多いですよ
2012年06月26日
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